人間が月面に足跡をしるしたことは,科学技術の偉業です。このことに疑問の余地はありません。
しかし次のような重大な質問をしないわけにはゆきません。
人間はほんとうに「恒星への旅行」に取りかかっているのですか。
「宇宙旅行の門戸」はほんとうに開かれたのですか。人間は自分の望みどおり,「何事でも行なえる」のですか。そうした科学上の偉業とわたしたちの日常生活にはどんな関係があるのですか。
月への休暇旅行を計画する前に,こうした月旅行にいったいどれほどの事柄が関連しているかを知るのはよいことです。
その一つとして,宇宙船の打ち上げには膨大な人員と巨額のお金がいります。この点で,これまでの最高となったのは1966年で,当時アポロ計画には要員40万人,大学および研究機関120,また2万の企業が関係しました。そしてその年だけで同計画の予算は59億ドル(2兆1,240億円)でした。
アポロ宇宙船を打ち上げるには徹底的なテストと点検が行なわれねばなりません。それには約4か月を要します。
その間におよそ2万5,000ページもの関係書類を綿密に調べなければならず,また宇宙飛行士も同様に,綿密をきわめるきびしい長期間の訓練を受けねばなりません。
このすべてには膨大な費用がかかります。現段階では月旅行の費用は重量1ポンド(454グラム)につき約800万円とされています。
これほど膨大な労働力,時間,お金また訓練を要するのですから,だれでも自由に月旅行休暇を楽しめるわけではありません。

